福岡県高等学校等教育研究会

Fukuoka High school Educational study group

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平成27年度 高教研北九州地区研究プロジェクト中間報告

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平成27年度福岡県高等学校教育研究会北九州地区プロジェクト中間報告


研究テーマ:福岡県北九州地区の高等学校におけるアクティブ・ラーニングの現状と課題


北九州地区研究プロジェクトメンバー

山添 浩介 (中間高校)

阪本 瑞恵 (八幡南高校)

岡村 優樹 (北筑高校)

梅本 成昭 (折尾高校)

安部 弘敏 (東筑高校)


1.テーマの設定理由

中央教育審議会の「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて(答申)」(平成24年8月28日)において、

『生涯にわたって学び続ける力、主体的に考える力を持った人材は、学生からみて受動的な教育の場では育成することができない。従来のような知識の伝達・注入を中心とした授業から、教員と学生が意思疎通を図りつつ、一緒になって切磋琢磨し、相互に刺激を与えながら知的に成長する場を創り、学生が主体的に問題を発見し解を見出していく能動的学修(アクティブ・ラーニング)への転換が必要である。』

また、「初等中等教育における教育課程の基準等について」の諮問(平成26年11月20日)では、

ある事柄に関する知識の伝達だけに偏らず,学ぶことと社会とのつながりをより意識した教育を行い,子供たちがそうした教育のプロセスを通じて,基礎的な知識・技能を習得するとともに,実社会や実生活の中でそれらを活用しながら,自ら課題を発見し,その解決に向けて主体的・協動的に探究し,学びの成果等を表現し,更に実践に生かしていけるようにすることが重要であるという視点です。

そのために必要な力を子供たちに育むためには,「何を教えるか」という知識の質や量の改善はもちろんのこと,「どのように学ぶか」という,学びの質や深まりを重視することが必要であり,課題の発見と解決に向けて主体的・協動的に学ぶ学習(いわゆる「アクティブ・ラーニング」)や,そのための指導の方法等を充実させていく必要があります。』

と指摘していることからも、今後、高等学校において、アクティブ・ラーニングを取り入れた授業形態が重要視されていくことになると思われる。

現在の研究プロジェクトメンバーの各勤務校における教員のアクティブ・ラーニングに対する認識については、「グループ活動の実施」や「ICTを活用した授業」程度であり、生徒を能動的に活動させるような授業実践や主体的・協動的に学ぶ授業というアクティブ・ラーニングの本質までは踏み込めていないようである。また、授業進度の確保や授業方法の開発・伝達が不十分なことにより、アクティブ・ラーニングを取り入れた授業を積極的に実践する機会が少ないように思われる。さらに、アクティブ・ラーニングの成果に対して懐疑的な教員もおり、アクティブ・ラーニングを取り入れた授業は「特定の教員」が「たまに実践する」、というのが現状であると考えられる。しかし、実践されている教員の話では、「生徒が主体的に動くので、授業内容の理解も深くなる。また、疑問点についてのディベートも活発に行われ、表現力の育成にもつながる。さらに、学習意欲も高まり、授業内容の定着も図れている」という意見もあり、アクティブ・ラーニングを取り入れた授業を多く実践するためには、現状の把握(教員の意識、実践状況)、授業方法の研究、検証(授業方法・生徒の学習定着度や意識向上)と改善を行う必要がある。

そこで、本研究では、本県北九州地区のアクティブラーニングの現状を調査し、そこから、今後アクティブラーニングを取り入れていくにあたって取り組むべき課題を明らかにし、それについて分析・考察する。

 

2.研究方法について

(1) 北九州地区の高等学校にアンケートを行い、「アクティブ・ラーニングの必要性」、「アクティブ・ラーニングを取り入れているか」、「どのような形態でアクティブ・ラーニングを取り入れているか」など、アクティブ・ラーニングに対する意識や実践状況の現状を調査する。

(2) アクティブ・ラーニングを取り入れた授業の具体的な実践例を調査し、考察する。

 

(3) アンケート結果、実践例の考察から、アクティブ・ラーニングを取り入れるにあたっての課題を明らかにし、今後の展望につなげる。

 

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